リフティングマグネットの安全係数について
リフティングマグネットでは、最大吊り下げ重量とは別に「安全係数」と呼ばれるものが、説明書などに記載されている事があります。「安全率」とも呼ばれる安全係数は、簡単に言うと、「最大吊り下げ重量の何倍まで耐えられるか」という数字です。
最大吊り下げ重量が100kgで、実際にリフティングマグネットが吊り下げられる重量が100kgだとすると、「100÷100=1」で安全率は「1」になります。
しかし、最大吊り下げ重量が実際に耐えられる重量と同じであれば、誤って110kgを吊り下げた場合すぐに故障してしまいます。
ですので、実際に吊り下げられる重量が300kgですが、最大吊り下げ重量が100kgに設定して、故障をしないよう安全に使用できるようにしています。
この場合だと3倍まで耐えられるので、安全率は3になります。
安全率は大きければ大きいほど頑丈と言う事なので、高い方が良いに決まっています。
しかし、安全係数が高くなりすぎると、当然のことながらコストが高くなってしまいます。
そのため、ほとんどのリフティングマグネットではコストとのバランスを考え設定されています。
安全率が2.5~4までの間に設定されているリフティングマグネットがコストと安全性のバランスが取れていてオススメです。
ただし、安全係数はあくまでも安全に使用できるためのものです。
確かに100kgまでのリフティングマグネットで安全係数が3の商品は、300kgまで使用が可能です。
しかし、始めから300kgで使用することを考えると危険です。
安全係数は、あくまでも「安全性を考慮した余裕分」ですから・・・100kgのリフティングマグネットに関しては100kg程度の鋼材を吊り上げる目的でご利用されることをお願い申し上げます。
なお、オークションや大手ショッピングサイトなどで、「最大重量100kg、安全係数3」のモデルを、「300kgのリフティングマグネット」として販売している業者さんを見かけますが、これは違法行為です。
一緒に読んでいただくと、参考になる記事
持ち上げる鋼材が薄い場合の対応について
長尺の鋼材の場合の、リフティングマグネットの活用方法について
リフティングマグネットの本来の力が発揮できない鋼材の種類