リフティングマグネットに使用されている永久磁石の弱点
リフティングマグネットに使われている磁石は、大きく2つに分かれます。電磁式と永久磁石式なのですが、それぞれに長所・短所があります。
電磁式は、電気により磁界を発生させるため、電気のON・OFFだけでリフティングの切り替えが出来るので制御が容易といえます。
また通電時以外には磁界が発生しないため、磁石に近づけてはいけない機械などに、誤って接触した場合の危険性が減ります。
反面、電源がないと使用できないため、野外などでは使用が制限される場合があります。また、永久磁石式に比べて、同じ最大吊り下げ重量のものでも、大型になる事があります。
永久磁石式は、構造が簡単であるが故に、電磁式よりも軽量かつ頑丈です。
リフティングのON・OFFは手動である事が多いので、野外などの場所を問わず使用することができます。
しかし、永久磁石を内蔵しているため、大きな衝撃や破損により磁力がもれる事があります。
また、高温に弱く、温度が高くなればなるほど磁力が弱くなり、キュリー温度と呼ばれる温度を越えると、磁力自体がなくなってしまいます。
キュリー温度は鉄では770℃ですから一般には越える事はないのですが、80℃を超えてくると、性能の低下につながるリスクも出てきます。ですから、超高温になりやすい場所には保管しないように気をつけることが大切です。
「電気代もかからず、停電でも安心して使用できる」永久磁石式のリフティングマグネットですが、「衝撃や破損により磁力が漏れ、弱くなってしまう点」「過度に温度が高くなる環境下においては性能が低下してしまう」という2点においては弱点と言えます。
一緒に読んでいただくと、参考になる記事
リフティングマグネットを使用する際の、5つの注意ポイント
保管と手入れに関して、注意すべきこと